「ログを公開するということ」

「ログがたくさん貯まる」

 ネットにログを公開することにしました。理由は自分が考えたことを記録していくうちに、かなりの数の考えた記録が貯まり、読み返すと「おもしろい見方をしてるなぁ〜」と思うものも散見され、すごく前に書いたログを興味深く読み返し、今の仕事のヒントになる発見がありました。

 

 この考えた記録を残す癖は以前からありました。しかしちゃんと残っているのはデジタルデータの記録だけです。学生時代は勉強せず、好奇心の思うに任せていろいろと読み漁りましたが、記録は取っていませんでした。その当時は現在の様にデジタルで簡単に記録することは難しかった。それより記憶力が今より格段に良かったこともあり、忘れる気がしませんでした・・・。今となってはすべてうろ覚えで勿体ないことをしたと思います。

 

 その後モノを設計したり、商品を企画するといった、クリエイティブな仕事に就いたことから状況は一変しました。とにかく好奇心の思うに任せて読む。ということに加えて、仕事で必要になり調べたことは、人に伝えるために正確に記録することが必要となったことです。

 

 デジタル黎明期で使っているデジタル機器は、IBM汎用機にワークステーションという時代でした。パーソナルに記録するために、この当時はデイファイラーというセイコーが出した電子手帳があり、これを皮切りに、シャープのザウルス、NECモバイルギア、パームパイロット、SONYのクリエなどPDAという呼称の新しいマシンを次々と使っていました。しかし当時のマシンは静電気に弱く、データが消えてしまうことが多々あり、記録を残すという意味で、信頼できるマシンとはいきませんでした。

 

 そのため企画書を書くための記録は、まだアナログで残しておく必要があり、カードに一件一葉で記し、ルーズリーフにまとめるという大変な労力を掛けて処理していました。しかしアナログ情報はどうしても嵩張りますから、当時の記録の殆どは散逸しました。

 

 その後PCの高性能化と併せ、メモリーが安くなり、更にHDDからSSDへ、データのクラウド化など、デジタルメモリーの信頼性が抜群に上がったこと。アウトラインプロセッサなどの文書制作アプリが使いやすくなったこと、写真や動画、スケッチなどビジュアル記録もリンクさせて残せるようになり、PDAスマホに代わり、何時でもオンラインの状態が作れることから、クラウドサイドで高速かつ大量に処理できる様になったこと。これら複合的要因で2000年位から走り書きのメモ以外の記録はデジタルで行うようになりました。

 

 デジタルになってからはログがどんどん残っていきます。仕事やその合間で考えたこと、通勤中や休日に考えたこと、これらの思考の記録が前述した「かなりの数の考えたログ」となりました。

 

「誰かのヒントになるかも」

 仕事や普段の会話の中で、周囲のクリエイターたちにこれらログの話をすると、非常に興味を持って「もっと聞かせて欲しい」と言ってくれる方々がいます。また「せっかくだから講演して」と依頼されることも何度かありました。面白がってくれる人が少なからずいる。ということは、これらのログを個人のメモリーの上にただ残して置くのも、私に万一のことがあったら「ただのハードディスク上にあるたくさんのファイル」で、「なんだろう?」と廃棄されるだけですから、ちょっともったいない。誰でも読むことが出来るネット上に上げておけば、もしかしたら「誰かのヒントになるかも?」という思いに至り、今回これらのログを公開することにしました。

 

ではまた